山吹味噌は、信州小諸で創業340余年。
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冷え性が増えている!? この時季、一度手足が冷たくなるとなかなか温まらなくてツライですよね。冷え性は以前は女性の2人に1人、男性は10人に1人程度といわれていたものが最近では女性男性ともに増えているそうです。生活環境の変化、パソコンやスマホの影響もあるのでしょうか。 冷え症の人は、体が十分な熱を作れない。血液循環が悪く体の隅々まで熱を運べない→からだは寒さを感じると命を守るため、末梢血管を収縮して熱を中心に集めようとする→体の末端=手足などで冷えが起こる→なかなか温まらない。そのため頭痛・めまい・肩こり・頻尿・寝つきが悪く起きられない等さまざまな不調を引き起こす、のだそうです。 冷えにくいからだは作れないのでしょうか? 保温・運動・リラックス、何より食事 毎日の生活習慣で冷えにくいからだを作りましょう。 外出時は首まわり(首・手首・足首)を防寒し、暖房が効いている場所では調節〔保温〕。寒さを感じたら肩を回し上半身の筋肉を動かして熱を作る/ストレッチ・ヨガなど〔運動〕。ぬるめのお風呂に入る/深呼吸〔リラックス〕。必ず朝食/温かい飲み物/鍋料理〔食事〕。 お味噌でパワーアップ 一日のうち、体温がもっとも低いのは起床前ですから、朝食を食べて体温を上げましょう。起き抜けに、まずは白湯を飲み、次に温かい汁物=味噌汁を(フリーズドライ味噌汁や味噌丸が便利です)。その際、より熱を作るタンパク質を意識してください。一番簡単なのは玉子を落としたお味噌汁です。 夕食には、タンパク質と野菜をたくさんとれる鍋料理がおすすめです。水菜など旬の野菜とビタミンBが豊富な豚肉を白湯(+昆布)でしゃぶしゃぶ。タレは胡麻油を混ぜた酢味噌、刻みネギや生姜おろしの薬味にすれば、ほら、足の先まで温まってきたでしょう? 日本人の平均寿命が世界のトップクラスということもあり、健康的な日本食に対する人気は世界中で高まっています。にもかかわらず、圧倒的に健康効果に関する科学的な証明が少ないというのは多くの専門家が指摘する弱点です。こんな状況の中、どのような日本食が健康にいいのか、その理由はなぜかという研究が少しずつ進み始めています。 9月25日、京都大学で「みその機能性探索と微量成分のふしぎ」(みそサイエンス研究会主催)というシンポジウムが開催されました。この中で、味噌に含まれる成分による腸内細菌叢改善作用や抗炎症作用、亜鉛欠乏の予防効果、抗肥満効果といった機能性が報告されました。 アミノ酸の化合物・ペプチドに詳しい京都大学大学院農学研究科の佐藤健司教授は、「味噌中の小さなピログルタミルペプチドの大きな機能」をテーマに講演しました。同氏らの研究では、味噌中に親水性、疎水性のピログルタミルペプチドが存在し、親水性は旨味を持ち、疎水性は大腸菌マウスの腸内細菌叢の乱れを微量の経口摂取によって抑制することを明らかにし、また同ペプチドが抗菌ペプチドの産生を増加させることで腸内細菌叢を改善する最近の成果も発表し、「これまでにない新しいメカニズム」と報告しました。 発酵でできる物質というと、乳酸菌が作る乳酸などの有機酸、酵母菌による炭酸ガスやアルコールなどはよく知られていますが、発酵はそれ以外にもいろいろな物質を作ります。アミノ酸、ペプチド類もその一つで、麹かび(麹菌)の発酵によって増える総称ピログルタミルペプチドは、由来が分かりやすいように今は「麹発酵ペプチド」と仮称され、味噌、醤油、日本酒など麹菌を使用した醸造食品に多く含まれており、さまざまな研究が進んでいるところです。「1970年代から日本人の味噌、醤油、日本酒の摂取量が減っている食生活の変化に伴い腸内環境が変化し、生活習慣病の増加につながっている」可能性を示唆しました。 食生活が安定した1960年から年代別に、日本で日常的に食べられてきた食事の特徴を分析し、その健康効果を研究しているのが東北大学大学院の都築毅准教授です。マウスを使った試験では、国民健康・栄養調査をもとに1960年、75年、90年、2005年それぞれの時期の日常食を再現、それを粉末化し、8週間食べさせた。その結果、1975年の食事が最も内臓脂肪がたまりにくく、寿命も長く、認知機能も良好だったことを発表しています。この研究グループは1975年型の日本食を軽度肥満者、健常人がそれぞれ4週間にわたって食べ続ける試験を実施しました。すると、同じ期間に現代食を食べた群に比較して、軽度肥満者群ではBMI(体格指数)や体重が減り、血糖値やコレステロール関連指標にも改善が見られ、健常人ではストレスが軽減し、運動機能が向上したという差を明らかにしました。これらを受けた形で、京都大学の佐藤教授は「味噌、醤油、日本酒といった麹かびを用いた発酵食品の摂取量がほかの時期の食事に比べて多い。例えば、味噌汁は2005年の週3回に対し、1975年には週7回と倍以上食べていた」と指摘し、毎日の味噌汁が大いに有効であることを裏付けました。麹の奥深い働きに改めて感謝です。

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きのこは、木ノ子で菌で茸  秋の静かな山に入って、スーッとするような香気に包まれていたら、その香気のもとは草木、朽木、苔、腐葉土であり、それらの賜物である〝きのこ〟から発せられているのです。 林の中できのこがポツン、またポツンと現れたり、群生している姿はまるで木の子どもたちのよう。大木の根元のふかふかした土から頭をのぞかしている菌(きのこ)、倒木から耳のように生えている茸(きのこ)‥‥ほとんどは他者に食べられないよう自衛している毒キノコなのでスルーして、安全と分かっているきのこだけを採るわけですが、信州人が採りたい一番はジコボウです(一般名はハナイグチ/ イタリア人が大好きなポルチーニも同じ仲間)。その味・香り、ぬめりがあるのにシャキッとした食感は雑きのこと一くくりするにはあまりに惜しく、匂いマツタケ・味シメジに勝るとも劣らないのではないかと思います。 おいしくて健康によいきのこ たとえ採れずに終わってもきのこを探しながら歩く時間は心身リフレッシュそのものです。一方、栽培きのこは近年ますますおいしくなりました。菌と書くようにきのこは菌類で、お山ではマツやケヤキの木の根や朽木に菌糸を伸ばして養分をいただき、それぞれ独特の風味が持ち味となります。原木栽培・菌床栽培も理屈は同じ。 和食が世界遺産登録された際、私達日本人が日常的に使う〝旨み〟という語がそのままUMAMI として世界に伝えられました。旨みの三大成分はイノシン酸・グルタミン酸・グアニン酸で、きのこには後者2つを含有しているものが多いとか。道理でおいしいわけです。 きのこは成分的にはほとんどが水分でミネラル豊富、カルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンDを含むため骨粗しょう症の予防のほか、免疫力を高め、ウィルスに対する抵抗力も期待できるそうです。カサはあるのに低カロリーで繊維質が便秘予防になるというところも嬉しいですよね。 きのこ汁! 料理法は炊き込みご飯、酢の物、炒めてパスタにと何でもござれ。でも、その風味と栄養をまるごととれて、かつ簡単なのはきのこ汁=きのこのお味噌汁でしょう。 お店で出されるナメコ汁は赤だし(豆味噌)が多いですが、信州味噌(米味噌)はどのきのこにも合う気がします。どちらかと言えば粒々が多少ある味噌で、山吹味噌なら「久左衛門」「コクとかおり」「赤つぶ」がおすすめ。 ただしエノキタケと豆腐の味噌汁には「白こし」が一番合います(あくまで個人的な意見です)。 この秋は何種のきのこに出合えるでしょうか?あなたのお好みできのこ汁をお楽しみください。 日本においては立春、啓蟄(けいちつ)、夏至‥‥と春夏秋冬の移り変わりは当たり前のこと、春から夏の間に梅雨があり、日照や気温の変化も少しずつ緩やかに進んでゆくものと思っていたものがここ数年通用しなくなっているようで、殊に今年は大違いです。 海外でも、たとえば大豆の主産国アメリカの中西部では冬の大雪の後、種まきをしなくてはならない春の時期に今まで経験をしたこともない長雨に見舞われ、相当多くの畑で機械を入れることが出来ずに、種まきを断念せざるを得ないという状況が起きたと聞きます。 弊社の味噌は直接アメリカ大豆を使用していることはありませんが、大豆の価格はこうした地域の出来高で大きく左右されるのが実状ですので今年の大豆の価格が懸念されます。 小諸も今夏、異常な気象に見舞われました。8月お盆前の数日間にわたる夕立の豪雨です。ある1日は雹(ひょう)とともに短時間に降った多量の雨が包装工場わきの土手に造られている少し大きめなU字溝から溢れ出し、滝のような状態で構内に流れ込み、出荷スペースを30センチ以上水没させる事態となりました。 別の1日は市内高台の地域で3センチ近い直径の雹が20〜30分にわたって降ったため、りんごやブドウに壊滅的被害をもたらしました。突然襲ってくる天候変化に頭を抱えているのは果樹農家に限りません。 旱魃(かんばつ)ではない今年ですが、お米の生育も順調と言えない状況のようです。当地周辺では、稲は例年ならば8月10日前後に一斉に花をつけるはずですのに非常なバラつきがあるらしく、丈の延びた葉っぱだけが立っている田んぼがそちこちで見受けられました。 〝数十年に一度の〞とか〝経験したことのない〞などと報道される気象がせめて今年限りのことであってほしい、どうか秋の実りにたどり着けますように、と祈っています。  

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甘酒は単なる甘味飲料ではありません。 お味噌と同じように麹を使った発酵食品ですから 日々の健康をサポートしてくれる強い味方なのです。 甘酒には2 種類あります 学校から戻ったらお祖母ちゃんがおいしそうに何か飲んでいました。「それ、なあに?」「甘酒よ」「私にも頂戴」「子どもはダメなの」「甘酒なのに!?」── お祖母ちゃんが飲んでいた甘酒は酒粕を溶いてこしらえたものだったのです。 甘酒には2 種類あって、その違いは材料が酒粕か米麹かで、どちらも好きな人にはたまらなく美味!ともに発酵食品でからだにいいものの、酒粕は日本酒造りの最終段階で清酒を絞った後に残る物質ですからアルコール分が8%ほどあります。 もう一種類は日本酒ほど発酵に期間をかけないで一夜程度ご飯と米麹を保温発酵させたもの。アルコール分はゼロですから子どもも妊娠中の方も安心して飲めます。 また、酒粕由来の甘酒には甘みがないので砂糖を加えますが、米麹由来は砂糖などは加えなくても驚くほどの甘み!江戸の昔から庶民に親しまれてきたのは麹甘酒のことです。 麹甘酒のすごいはたらき お味噌づくりに欠かせない麹は「酵素の宝庫」と呼ばれています。麹菌が体内の消化・吸収を助け、免疫力をアップ。また、肌の色素沈着の原因となるメラニンの生成を抑えるので、シミやそばかす、くすみ予防にもなるとされています。 そうした麹とお米を発酵させて出来上がる麹甘酒の甘さは、お米のデンプンが麹によってブドウ糖やオリゴ糖に分解されて糖化したものです。ブドウ糖は脳の活動すなわち記憶力や気持ちの安定、オリゴ糖、それに食物繊維は、便秘解消や腸内環境の改善に役立つため、便秘が原因で起こるニキビや肌荒れの改善といった効果も期待できます。 麹甘酒でさらに嬉しいのは豊富なビタミン群があること。ビタミンは糖質を代謝したり消化液の分泌を促進します。中でもビタミンB1 は疲労回復に欠かせません。 暑い夏だからこそ甘酒を飲んでほっとする時間をもちたいですね。いえ夏だけでなく一年中ホットでもクールでも。  

──ご自宅でも麹甘酒が作れます。──

材料はご飯と麹。電気炊飯器の保温機能を使います。 完成した甘酒は濃厚ですので、お好みの薄さにして飲みます。 小分けにして冷凍しておくと便利です。 *山吹味噌の「こうじ」をご利用ください。麹を使ったレシピが封入されています。 弊社はどの現場においても清潔をモットーにしてきました。生産を開始した包装工場では、さらに清潔な環境の下で製品が作られるための工夫を採用しました。今回はゴミ・異物を包装場に持ち込まない仕組みについてお話しします。 作業者は着替えをし、専用の履物に履き替えてから、粘着ローラーでユニフォームの付着物を取り除き、最終の仕上げに一人ずつエアシャワーと呼ばれる装置を通り、身体に付いたホコリを吹き払って作業場に入ります。この装置は、ミクロレベルの細かなフィルターを通して作られた清浄な空気を全身に吹き付けて、チリやホコリなどを除去する装置です。この関所を通らないと仕事場に入れない構造です。 人だけでなく、製品になる味噌も、1トンのタンクごとに除塵のエアシャワーが用意されています。人と同様、入口の関所をパスしないと場内に入れられない仕組みです。副資材にあたる包材も、はじめにダンボールごとエアシャワーを通し、次に充填の室内に持ち込む時にはダンボール由来のホコリを持ち込まないため、ポリ袋に入った本体だけをダンボール箱から取り出し、パスボックスと呼ばれている引き渡し専用のエアシャワーを通して包装作業場に持ち込むことにしてあります。最終製品の入るダンボール箱もシート状で入荷したものを箱に組み立てる前にエアシャワーを通しています。

( M・T )

 1面でご紹介している格言の「○○」に当てはめる言葉の反対は利口、賢明、聡明。今年は、名前に聡の字が付く将棋少年の大躍進・言動に感心させられましたよね。史上最年少プロ4段が先輩棋士を次々破って7段に。我が子もあやかろうとF・S君が遊んだ知育玩具はたちまち売り切れ状態。し而かして、彼にご登場願ったのは天才ぶりだけではなく味噌にまつわるエピソードがあるからです。  小学校の時に好きな食べ物として挙げた1位は刺身ですが2位が味噌煮こみうどん。出身県愛知名物ではありますが、あの若さで(?)です。高1現在も好物だそうで、東京での対局に出かける前に食べ、対局時のお昼に食すほど。記者が感想を求めると( 私も碁や将棋のタイトル戦の際の食事報道に興味)、愛知のとは違うが「それはそれでおいしかった」。このような受け答えもなかなか出来るものではありません。  煮込みうどんは長野県ほか、米と小麦が二毛作だった地域で今も比較的家庭で食べられている料理だと思います。山梨の〝ほうとう〞、長野でもほうとうと言っていますが県北部の〝おぶっこ( ぶっこみ)〞、群馬の〝お切りこみ〞も、煮込みうどんです。  昔、農山村のお母さんは朝から晩まで休みなしに働き、毎日の食事は出来るだけお金かけず、手間いらず、を心がけました。煮込みうどんなら、材料の小麦・野菜・溜り( 今は好みで醤油か味噌)は自家製ですから取りあえず買い物の必要なし。小麦は水車小屋でまとめて粉に挽いてもらっていましたが、うどんにすることが多いので小麦粉を〝うどん粉〞と言っていました( 輸入品が多くなるとメリケン粉に)。  さて、粉を水だけで柔らかくこね、のしたら幅広に切っておき、次に野菜類準備。それらをぐらぐら煮立った煮干し入りの鍋にぶちこみさえすれば、あとは煮えるのを待つだけ、味を足せば出来上がり。  うどん(饂飩)の由来は古く、ほうとうも中国から伝来した「餺飥(はくたく)」がルーツだとされています。山梨・甲州は武田軍の戦場食だったので各地に広まったとも。  旅に出たらその土地ならではのものを食べたいですよね。名古屋に来たら食べるべしと誘われて初めて食べた味噌煮込みうどんは衝撃。土鍋で煮えたぎる汁はどろりと濃厚、しかし色ほどには塩辛くなくじんわりした旨味滋味。また、うどんの噛み応えあること!  あれから半世紀近く経ちますが、中京方面に所用の折には、この味この味、とほくそ笑えみながら、穴なしの蓋に盛ったご飯に汁をかけて完食するのであります。  とはいえ、私が賞味するのはお店の味噌煮込みうどん。愛知のご家庭ではどんな煮込みうどんを食べていらっしゃるのでしょうか?

(当主)

 学生時代からの友人に誘われ、滋賀県を旅してきました。滋賀県といえば鮒の馴鮓あるいは瀬田シジミを浮かべるのは当方が食い意地を張っているからでしょうか。友人の父上の出身が滋賀とは前に聞いた気がしていましたが、往きの車中でご両親とも近江八幡出身なのだと知らされ、さぞや近江の食に親しみ懐かしかろうと問えば「自分は生まれも育ちも横浜で、親はあまり故郷の味にこだわっていなかったと思う」と。  ついでにお母さんが作ってくれた味噌汁やお味噌について畳み込むと「普通の味噌汁。味噌は信州味噌だったような」(拍子抜け)。  いざ滋賀に着きまして、馴鮓はさておき和食処でも宿の朝食にも蜆汁が出てきません。瀬田シジミは希少なんだな、と実感するとともにいろいろが蘇ってきました。日本在来のシジミには淡水に生息するマシジミとセタシジミ、宍道湖など海水と淡水が混じり合う汽水域に生息するヤマトシジミが主と学校で教わりましたよね。信州でも昭和20 、30年代までは近くの小川や湖沼で採れました。  蜆の味噌汁は私の大好物で、通は汁のみ吸うと聞かされても、面倒がらずに身をせせって食べます。いつからかシジミはスーパーで買うものになって…ある時期、私が蜆汁好きの名を返上する事態が発生しました。臭い貝に出合うようになったのです。それが嫌で、いっそ買うのをやめてくれ、となったのでしたが、それは個人的嗜好の変化ではなく高度経済成長期の負の産物・公害でした。空はスモッグで覆われ、川・湖沼・湾は工場や家庭から浄化されないままの排水や田畑からの高濃度の農薬で汚染。シジミはヘドロにまみれ、蜆漁師の仕事も奪われたと報じたニュースは忘れられません。そして環境再生運動が各地で起きるのでした。  旅報告に戻りましょう。初日は湖北を歩き、2日目には織田信長が眺めたであろう安土城天主閣跡から下界を望みました(築いてわずか3年で城も楽市楽座が開かれた安土の町並みも焼失)。JR琵琶湖線車窓から、あるいは安土山・八幡山の頂上からはどこまでも大きな圃場が広がっていました。滋賀は米どころなのです。だからかもしれません。数か所で出された味噌汁は見た目も風味も米味噌。厨房の方に声をかけると、「汁の実は信長さんも食べていたはずの打ち豆、大根、ねぎ、油揚げ。味噌はここらで食べている普通のですが、京都が近いから白味噌もあるのでこちらを赤味噌と呼ぶこともありますよ」とのこと。それを聞き、友のご実家の味噌汁に信州味噌の名があがったことに納得。  ちなみに打ち豆は大豆をつぶした乾物で、我が家では上越土産(打ち豆汁用)としてもらったのが初見。当店前を通る北国街道は、京から始まる中山道が琵琶湖東にて北国街道(北国路)として湖北を回って加賀に至った後、いわゆる北国街道になるわけで、打ち豆汁も街道沿いに上越に伝わった食かもしれませんが、信州には届かなかった!?  旅最後の食事は滋賀の郷土食が表看板のお店へ。品書きにようやく﹁瀬田蜆汁﹂の文字を見つけたら、お澄ましか赤だしか選ぶとのこと。滋賀県民の皆さんが普通に食す蜆汁には出合えませんでしたが、貴重な瀬田シジミを赤だしでしみじみいただいたのでした。

(当主)

昔から〈滋養食〉といわれてきたしじみ。 その栄養を無駄なく、旨みをたっぷり味わうには? 疲労回復や貧血に効果! 古くからしじみは栄養がある、肝臓にもよいから二日酔いしたときはしじみ汁を、と言いますよね。 成分分析が進み、肝臓の働きを助けるアミノ酸の一種アラニンやオルチニンが含まれているためと、その通説は根拠あることだとわかりました。豊富なミネラルが疲労回復、貧血(鉄・ビタミンB12 不足で起きる)、味覚障害(亜鉛不足で起きる)にも効果あるとのこと。お味噌汁にすればお味噌の効果と相乗です。 水から加熱でダシいらず しじみ汁にはダシはいらない、しじみから美味しいダシが出るからというのも通説。しじみ汁は水から加熱も通説です。貝を水から入れると加熱するにしたがい貝が開き、身から何かが出てきて汁が白く濁ります。その白色が、しじみのエキスであり、おいしさの秘密=コハク(琥珀)酸です。水に溶けないので目に見えるわけです。グルタミン酸等も含有されているので旨みは十分。もし物足りないと思った方は濃いダシ具合に慣れてしまっているのかも。これを機会にしじみの力を信じてダシなしを試みてみるのはいかがでしょう? 汁に溶けやすい赤味噌系で! さて、水から加熱した貝がみんな開いたのを見たら溶かした味噌を入れて出来上がり。料亭等プロが作ってくれるしじみ汁の味噌は濃い赤だし(豆味噌・赤味噌にダシや甘みを加えたものが多い)の、まさにこっくりという表現が合っていますが、昔ながらの家庭の味わいを求めるなら、左・下記のようなやり方でダシは入れずに、赤味噌と呼ばれているお味噌で作ってみませんか。赤とは赤みを帯びた味噌のことで、弊社製品では「赤つぶ」「久左衛門」「家傳山吹味噌 極醸」等が赤味噌にあたり、こし味噌と違い、大豆粒の名残があるため汁に溶けやすく、熟成期間が長いので角のとれた豊かな風味がオススメです。しじみ汁でもお試しあれ。 旨味成分が増加する!?砂抜きの秘策 ダシいらずしじみ汁の秘策は砂抜きにあり! まず①貝殻をよくこすり合わせ、汚れかつ生臭さをとる。次に②バットに底が平らなザルを重ねて貝を入れ、殻の上部すれすれに水(塩1%。真水だと旨味が逃げる)を入れ、新聞紙等で蓋をし冷暗所で1~3時間寝かせると吐いた砂・糞が沈む。ここまでは昔からの知恵ですが現代の知恵として、その後に冷凍するとアミノ酸やコハク酸、オルチニンが増し、美味しくなるそうです。 砂抜きの際の〝水すれすれ〟も酸素が遮断される〝冷凍〟もしじみにとっては死活問題。しじみさんたちは身を守るためにアミノ酸類を出すのかもしれません。 長いこと味噌・醤油醸造と一体となって製品の充填・包装を行ってきた部門が、小諸市の中心市街地の再開発の実施に伴い、製品出荷場が総合病院の救急患者玄関の真向かいとなってしまいました。このままの状態では生産を存続させることが困難な状況であり、併せて近年は食品の衛生に対するお客様の要望が大変な高まりを見せてきています。老朽化した手狭な工場施設では対応にも限度があり、解決の道を探っておりました。 こうした状況を背景に、充填・包装部門を直接の味噌製造部門より切り離し、新たな工場を整えてお客様の要望に応えていくことといたしました。幸い同じ市内の2kmほどの所に改装によって活用のできそうな物件が見つかり、約1年の時間をかけて新工場としての改装をしてきました。 2月中旬より、充填機械の移動と合わせ、人員の移動を行い、新たな体制で生産を行っております。お味噌が充填される室内はクリーン度の高い空調に加え、室内の空気を陽圧(少し高めの空気圧)として室外の空気が混入しないような工夫がなされています。工場の一部を紹介させていただきます。

( M・T )