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山吹のたより

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2021.04.07

「原料大豆事情」

 大豆は味噌を仕込むための大事な原料です。北半球に暮らす日本人にとって大豆は一年に一回、秋に収穫される作物として、当たり前のこととして身についている常識です。ところが世界規模で穀物事情を考えねばならない現代においては、南半球における収穫が半年後にあって需給の仕組みが保たれることになっており、流通の価格はアメリカ・シカゴにある穀物市場で決まることになっています。
 
 近年、大豆需要が拡大し、直接、人が食用にする大豆より、油を絞り取ったり、その残渣(搾りかす)を家畜の飼料にしたりする用途が多くなっています。市場価格は農作業の効率を優先する「遺伝子組み換え」大豆も対象に含まれ、96%が遺伝子組み換え大豆。遺伝子組み換えでない食用大豆は数量が少ないものの同種の農産物であるため、価格の動向はそのまま反映されることになっています。

 この大豆価格が昨年夏過ぎより急上昇をし始め、止まるところを見せない状況を続けて新年を迎えました。穀物仲間の小麦やコーンはそれほどの価格上昇になっていないにも関わらず、大豆の価格が飛び抜けて跳ね上がっているのは何故だか分かりません。アメリカにおける国際価格の動向は中国産の価格にも、日本国内産大豆にも及び、本来独自のはずの国内入札価格も相当なアップ傾向となっています。秋に収穫された日本の大豆は、12月の下旬に最初の入札が実施され、年開けには流通が開始されますが、今年は入札が遅れ、価格も昨年の20パーセントほど上乗せになっています。

 大豆を国際的な作物として捉えなければならない理由の一つに中国の存在があります。大豆から採れる油とその搾りかすの最大利用国が中国だからです。米中の貿易摩擦が大豆の輸出入に大きな影響を及ぼしていたことも、アメリカの大統領選挙も随分と関係があったとも言われているところです。

 世界規模の変調は大豆の流通にも現われてきています。昨年初めに中国で発生した新型コロナウイルスの影響で貿易に使用する海上コンテナの補給が不足し、貨物の用意が出来てもコンテナ容器が手当て出来ずに予定通りの出航にブレーキがかかってしまう事態が発生するようになっています。新造のコンテナは生産拠点が中国であり、単価的にも圧倒的な優位にあります。コロナ禍における減産の影響が1年後のここへ来て現れています。事態はかなり深刻です。ここでも新型コロナウイルス感染症の鎮静化が望まれます。

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