山吹味噌は、信州小諸で創業340余年。
上質な本物の味噌をお届けします。

オンラインショップ
山吹のたより

山吹のたより

2019.05.31

煮込みうどん

 1面でご紹介している格言の「○○」に当てはめる言葉の反対は利口、賢明、聡明。今年は、名前に聡の字が付く将棋少年の大躍進・言動に感心させられましたよね。史上最年少プロ4段が先輩棋士を次々破って7段に。我が子もあやかろうとF・S君が遊んだ知育玩具はたちまち売り切れ状態。し而かして、彼にご登場願ったのは天才ぶりだけではなく味噌にまつわるエピソードがあるからです。
 小学校の時に好きな食べ物として挙げた1位は刺身ですが2位が味噌煮こみうどん。出身県愛知名物ではありますが、あの若さで(?)です。高1現在も好物だそうで、東京での対局に出かける前に食べ、対局時のお昼に食すほど。記者が感想を求めると( 私も碁や将棋のタイトル戦の際の食事報道に興味)、愛知のとは違うが「それはそれでおいしかった」。このような受け答えもなかなか出来るものではありません。

 煮込みうどんは長野県ほか、米と小麦が二毛作だった地域で今も比較的家庭で食べられている料理だと思います。山梨の〝ほうとう〞、長野でもほうとうと言っていますが県北部の〝おぶっこ( ぶっこみ)〞、群馬の〝お切りこみ〞も、煮込みうどんです。
 昔、農山村のお母さんは朝から晩まで休みなしに働き、毎日の食事は出来るだけお金かけず、手間いらず、を心がけました。煮込みうどんなら、材料の小麦・野菜・溜り( 今は好みで醤油か味噌)は自家製ですから取りあえず買い物の必要なし。小麦は水車小屋でまとめて粉に挽いてもらっていましたが、うどんにすることが多いので小麦粉を〝うどん粉〞と言っていました( 輸入品が多くなるとメリケン粉に)。

 さて、粉を水だけで柔らかくこね、のしたら幅広に切っておき、次に野菜類準備。それらをぐらぐら煮立った煮干し入りの鍋にぶちこみさえすれば、あとは煮えるのを待つだけ、味を足せば出来上がり。
 うどん(饂飩)の由来は古く、ほうとうも中国から伝来した「餺飥(はくたく)」がルーツだとされています。山梨・甲州は武田軍の戦場食だったので各地に広まったとも。

 旅に出たらその土地ならではのものを食べたいですよね。名古屋に来たら食べるべしと誘われて初めて食べた味噌煮込みうどんは衝撃。土鍋で煮えたぎる汁はどろりと濃厚、しかし色ほどには塩辛くなくじんわりした旨味滋味。また、うどんの噛み応えあること!
 あれから半世紀近く経ちますが、中京方面に所用の折には、この味この味、とほくそ笑えみながら、穴なしの蓋に盛ったご飯に汁をかけて完食するのであります。
 とはいえ、私が賞味するのはお店の味噌煮込みうどん。愛知のご家庭ではどんな煮込みうどんを食べていらっしゃるのでしょうか?

(当主)

山吹のたより分類